4.海洋プラスチックごみ
私たちの身の回りには、たくさんのプラスチック製品であふれています。ペットボトルやレジ袋、発砲スチロールなどもプラスチックでできています。これらのプラスチックの多くは、「使い捨て」されることも多く、利用後に、きちんと処理されずに環境中に流出してしまうこともあります。そして、環境中に流出したプラスチックのほとんどが最終的に行きつく場所が海です。
既に海に流出したプラスチックごみは、合計で1億5,000万トンとも言われており、そこに少なくとも年間800万トンも、新たに流出しているという推定結果もあります。
こうしたプラスチックごみは、海の生態系に大きな影響を与えています。例えば漁網などにからまったり、ポリ袋を餌と間違えて食べてしまったり、魚や鳥、アザラシ、ウミガメなど、多くの生き物が傷ついたり死んだりしています。
一度流出したプラスチックごみは、海岸での波や紫外線等の影響を受けるなどして、やがて小さなプラスチックの粒子となります。5mm以下になったプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれていますが、これらは、細かくなっても自然分解することはなく、数百年間以上もの間、自然界に残り続けると考えられています。
マイクロプラスチックは、洗顔料や歯磨き粉、合成ゴムでできたタイヤの摩耗、フリースなどの合成繊維の洗濯など、さまざまなものから発生しています。しかし、生き物にどのような影響を与えるのか、詳しいことは分かっていません。でも、本来自然界に存在しない物質が広く生物の体内に取り込まれた結果を、楽観視することはできません。
プラスチックごみ問題に関して、私たちにできることの一つは、3Rを徹底することです。プラスチック生産量の多い日本の場合、特に重要となるのは生産・使用を「リデュース=減らすこと」です。
私たちの生活に便利なプラスチックを無くすことは難しいと思いますが、最近では、石油からではなく、トウモロコシやサトウキビなどの植物から作られた「バイオマスプラスチック」も見かけるようになってきましたので、バイオマスプラスチックを選択すること、または、プラスチックの代用として紙を使用することなども含め、私たちのプラスチックの利用方法についても、考えていくことが重要です。
※私たちの生活から出るプラスチックごみが、海洋の生態系に悪い影響を与えてしまっているのであれば、私たちは何をするべきか考えてみましょう。